
結婚式場の集客
某ホテルさんが持っているチャペル。
当時、平日の稼働がほとんど無かったんです。
ロケーションは抜群で、カメラマンからすると撮影向きな作りになってます。
担当者の人も「何か施策を打ち出したい」
そんな悩みも打ち明けてくれたのです。
ビジネスモデルの組み立て
設備やロケーションは良いのに、
「もったいないな…。この魅力は周囲に負けてないはずなのに・・」
そう思ったのは僕だけじゃなく、様々な式場へ出入りしている敏腕の美容師も同じことを思ってたのです。
そこで、普段良くしてくれてることもあり、ホテルにとって売上プラス5,000万のビジネスモデルを考えてみた。
その入り口となる商品はチャペルを利用した写真撮影。
一見すると、どこにでもあるフォトウェディングのプランですが、あくまでも入り口としてのプランです。
フロントエンドとバックエンドを設計します。
フロントエンド→そのチャペル・施設でしかできないプラン
バックエンド→アルバム・衣装追加・ロケ撮影・少人数食事会・宿泊・披露宴
その地域、周りの競合ホテルや式場、利用される年齢層などを調査すると、
そのホテルにしかできない価値を提供ができると感じました。
施設(チャペル)を持っている箱側の強みですね。
競合式場との差別化要素
過去の利用者層を洗い出し、ターゲットとなるペルソナを絞るとこのような層にマッチすると考えれました。
30代以上のカップルで競合先にはできない魅力を打ち出す。
1番の強みは、施設(チャペル)とロケーションです。
他に周りの式場やホテルには無い、僕たちカメラマンからすると、とても魅力的に思えて仕方なかったのです。
でも、それを活かすカメラマンがそこにはいない。というのもホテル担当者の悩みでもあったのです。
売上を組み立てる
安易にフォトプランを売り出したところで、5,000万の売上は無理です。
バックエンドに少人数向けの披露宴、食事会、宿泊や観光コースなど、立地を活かした内容を準備する。
要するに、本当は挙式を行った方がいいと思っている。家族に見せたい。というニーズのあるターゲット層にアプローチする必要があります。
もちろん、全ての利用者がバックエンドの商品購入に繋がらなくていいんです。
その何割かの人が利用したくなる仕組み作りが重要だと考えます。
例えば、
フォトプランを利用した50%のユーザーが、ロケーション撮影も追加したい。
と思えるような内容を作る。
さらに、ロケーション撮影した中の40%のユーザーはアルバムが欲しくなるような仕組みを作る。
強いて言えば、撮影だけでなく挙式だけ利用できるような仕組みも作る。
さっきも言いましたが、全てのユーザーが利用しなくていいんです。
25%以上の利用者が何かしらのバックエンドの商品に魅力を感じれるような仕組みを考える。
さらにホテルなので、食事会、宿泊などは一定の割合で獲得できるはずです。
単純にフォトスタジオで提供できるフォトウェディングより、家族とご飯も食べれて、宿泊もできる・・満足度は高いと思います。
そのことから、「安くしたい」「写真だけで十分」と思っている層ではなく、
<ターゲット層>
・理由があって結婚式はできない30代以上のカップル
・本当は挙式をしたかったと思っている
・子どもがいて家族を大切にしている
・親に晴れ姿を見せた方がいいと心の中で思っている
そんな人をターゲットとして打ち出すビジネスモデルです。
披露宴に繋がれば数百万は売りが立ちます。
※記載した%は実際と若干差があります。モデルの作り方の一例です。
これで、年間たった数十組を獲得できれば5,000万超えるという内容。
提案した結果
結果はどうなったと思いますか?
実は、何も動きませんでした。笑
担当者や支配人は申し訳なさそうに謝られましたが、どこか悔しさもあるようでした。
経営陣と現場のベクトルが違ったようです。
現場としては、婚礼をどうにか増やしていきたい。そのため動きたい。と考え、
経営陣としては、婚礼は現状でも今後期待してない、海外からの旅行客の誘致の方が利益率も高い。
「投資するなら海外からの団体客の宿泊、宴会などの件数を増やす。」
そう判断した。とのことでした。
ホテル事業にとって当然といえば当然ですね。
面白いと思ったのにな〜。
まとめ
このフォトプランで得られる僕らの利益は微々たるもので設定してました。
結果的に婚礼が増えれば、そこで利益が取れると考えてたんですけどね。
そういえば、「サイトLPとSNSの運用まで請け負います」
なんて話してたのを思い出し、今思うと・・
提示した金額で受けてなくて逆に良かったのかもしれないw
これも貴重な経験値です。